2020年7月12日日曜日

廃品処理 いつですか30句


第8回俳句四季新人賞にこっそり応募したところ、一応最終候補41作に選んでいただいたようです。受賞作は既報のとおり、浅川芳直さんの「雪くるか」、曾根毅さんの「焼身」の2作同時受賞。
それぞれ、作家の個性が出ている作品。おめでとうございます。


で、拙作。こういうの、いままで箪笥の奥(比喩表現)で腐らせていたのですが、無駄なので掲載しておきます。2019年作。
選考会では無得点なので当然コメントもなし。選考委員高野ムツオさんによれば「魅力ある作品が少なかった」とのこと。今見るとずいぶん平和な句が並んでいて、2020年の新人賞として選ばれなかったのは当然かなとも思いますね。



「いつですか」
1.        業務連絡鬼A外へ福は内
2.        森のなか駆け抜け雛祭を見に
3.        平成の怪物の遺書木ノ芽時
4.        胃カメラのずるずる進む春の鼻
5.        花の客医者と薬の話して
6.        春は今でしょうか夏はいつですか
7.        神様の一撃やがて黴生まれ
8.        重代の武者人形と偽系図
9.        肩車されて端午の司令官
10.    わたくしのくの字しの字がなめくじり
11.    王様は痛みに耐えて寄居虫に
12.    強そうなサンバイザーの早歩き
13.    女王の昼寝を運ぶベビーカー
14.    この道で昨日踏まれた松落葉
15.    鯉が鰓ひらくよ夏が終わるのだ
16.    残暑とは「ムー」のずらりと並ぶ棚
17.    生きることパンを買うこと秋桜
18.    百日紅後悔すればきりがない
19.    亀虫を8まで数え飽きている
20.    なんてことないわけないや星月夜
21.    私の希望に沿わぬ芒原
22.    ポストあかあか嵐ちかづく
23.    古墳から出てきた子どもハロウィーン
24.    蛇穴に入ると穴から泣き声が
25.    ポッキーの日よ締切よ締切よ
26.    冬の海鯨の精が放たれて
27.    日向ぼこじっと逃亡者の気分
28.    虎落笛爪の再生する過程
29.    寒北斗いま新天地別天地
30.  狐火の動画眠りにつく儀式

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