2020年2月、第12回船団賞応募、1票も入らず。
この年船団は「散在」したので、最後の応募作。
「絵の群」
久留島元
1. 絵の群をかきわけ春はまだ来ない
2. 春隣似顔絵描きのペンの先
3. 笑い絵の隅に小男少し春
4. 聖マリアみんながふんできた踏絵
5. 鯰絵と落花と丘に埋めておく
6. メーデーはポンチ絵特集号のなか
7. 牛蛙墨絵の裏で動かない
8. 蛇が来て舌で油絵を削る
9. 切り絵ちかちか琉金きらら
10. 地上絵を灼く炎帝が力づく
11. ぬばたまの塗り絵の茄子を懸命に
12. 箱庭か砂絵でしかないぼくんち
13. 光とか月とかまるで水絵です
14. 危な絵のなかも紫朝顔も
15. いなびかり岩絵は祈りまたは意志
16. 古絵巻の鬼が秋気に乱舞です
17. 虫の声影絵の犬はもう古典
18. 紅葉かつ散れば錦絵忍者の死
19. 山遠く鉄絵火鉢に帰る雁
20.騙し絵の画廊主人のクリスマス
0 件のコメント:
コメントを投稿