やや残念なことに、とりあげた作家の作品より、惹句のほうが話題先行している模様。
週刊俳句 Haiku Weekly: 後記+プロフィール419
東京に対する「関西」という枠組みに意味があるとすれば、福田くんもご指摘のとおりカウンターだと思うが、関係あるかなと思うので拙記事(曾呂利亭雑記: かみがた)。
たぶんこの意味合いは「九州」や「東北」とは、また違うはずである。
話題になっている「東京が~」の惹句を提案したのは私ではないのですが、地方にいることでメディア露出が少ない作家が多いと感じて賛成したのは間違いない。
それを挑発的に謳いあげれば、ああいう形になるわけですが、しかし、どこまで本気かというと、やや心許ない。
実際、編集に近いサイドの読者からはこんな感想も出ている。
ただ、挑発によって無意識だった人たちの心をざわつかせることがあったなら、惹句としては成功ですね。
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ところで、週刊俳句が「在京」メディアだったり、まして「俳壇の中心」だったりするか、と問われれば、「現実」的には、んなわきゃない。
だって週刊俳句って、俳句甲子園出身の学生が編集に入って、関さんや小津さんが活躍し、野口裕さんが連載したり、いつき組やふらここがジャックしたりするんですよ。
中心なわきゃないし、東京集中ともいえんでしょう。
もちろん、執筆者の多くは東京近郊在住だろうし、実際、東京で発生したメディアだったから多くの人を巻き込んで続いてるのだとはいえるでしょう。(「なんかいろいろ集まってる感じがするぞ」)
しかし所詮、「インターネットの世界を無闇に信奉しているのではないかと思われる世代」「週刊俳句あたりをうろちょろしている若い人」という、カルト信者的な扱いをうけている人たちなのだから、偏っていることを指摘するのも、不毛な気はします。
そもそも紙媒体と違って投稿受付しているので、どんどん地方作家も無名作家も、
(実際、私も何度も送りつけてますし)
追記05/05 コメント欄にて指摘をうけたが、週刊俳句は作品投稿は受け付けていない由。失礼しました。だから、「東京がなんぼのもんじゃ」で対視(あえて敵対視とはいわない)されている「もの」が、週俳のような限定的で流動的なメディアでは、あまりに気宇が小さい。
もっとありますでしょ、「東京」のもつ権威的なもの。
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一方で、福田くんに沿って「原理」的に考えれば、週刊俳句であれ関西俳句なうであれ、言説を発信し、編集している「メディア」は、どんなに規模が小さく流動的であっても、「権威的」にならざるをえないはず。
まして7年続けていれば、たとえば関悦史に影響うけた小津夜景、柳本々々が登場する、なんてことがありうる。
追記。 蛇足的に加えれば「話題にする/される」関係に生じる上下関係、身も蓋もなく言えば「発話する/聞く」関係の上下関係が、あると思うのです。これはブログ、ツイッターから日常おしゃべりまで、原理的には同じですよね。ポストモダン的な知性は、常に権威性を無化しようとするように思いますが、結局0にならないことを意識していくしかないのでは。週刊俳句だって、ひとつの中心・ひとつの権威でありうるし、一部の人に「無闇に信奉」されている対象、にみえうるということ。
そのことから目を背けていたら、たぶん、見えなくなるものがたくさんある。
私見によれば、俳句界では「周縁」を自負、自称する人が多いが、「周縁」を続けるというのは、本来とても難しい。
「中心」に対してカウンター的に作ったものが、別の「中心」になってしまい、それがまた大きな力を持つわけではなく小さな島宇宙を形成し、島宇宙同士がなんら交流できないままお互い敵視/無視して、、、
と話を進めていけば、これは毎度おなじみの「現代文化論」。
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もうひとつ、以前からやや気になっていたのは、週刊俳句誌上に登場機会が多い評論家のスタイルで、ある「好み」が共有されているような、特定の作家をつねに話題にするような、一種の連帯感が透けて見えることだ。
もちろん、先に記したとおり週刊俳句にはある種の「カルト」的側面があると思われるので、それが同人誌的な連帯感を帯びるのはやむをえないのもしれないですが。
だから、「カウンター」の刺激というのは、やはり存在意義のあるものであり、俳句は、いろいろな方向からのカウンターで常に撹拌される、「広い」ものであってほしいと思うのだ。
楽しく読ませてもらいました。適切にまとまっていて読みやすかった。
返信削除週俳は俳句作品は受け付けてないようです。
返信削除>葉月さま
返信削除おそれいります、ありがとうございます。
>匿名さま
え、と思って要項見直した、本当でした。 なるほど、ご指摘ありがとうございます。
週刊俳句を紹介していただき、ありがとうございます。
返信削除俳句作品は、運営からの依頼に限定しております。
「そこもオープンにすればいい」という意見もありましょうが、
投句を受け入れると、ものすごいことになるのです。
どう「ものすごい」かは、想像してください。
>西原天気さま
返信削除いらっしゃいませ、いつも反応ありがとうございます。
>投句を受け入れると、ものすごいことになるのです。
>どう「ものすごい」かは、想像してください。
・・・(想像してみる) (・・・いろいろ思いつく) (いろいろものすごい) (希望の光をさがす) (みつからない)
・・・ものすごそうですねww
まあ、新年詠とか、週刊俳句賞応募とか、たまの募集、投稿受付のイベントが増えるのは、いいかもしれません。
たとえば作品依頼して欲しい作家の希望を集めてみるのも面白いんじゃないですか。外の「好み」を取り入れるという意味で。
返信削除>匿名さま
返信削除いいかもしれませんね。是非、週刊俳句のほうでリクエストなさってください。