2011年8月28日日曜日

俳句甲子園のことなど。


第14回俳句甲子園行ってきました。
20日の午後に着いて大街道の準々決勝を観戦、翌21日は朝から決勝を堪能しました。生の俳句甲子園観戦は、伊木の優勝以来かと思いますから、かれこれ7年ぶり(!)になります。
いやぁ年取るもんですね。。。(追記。そういえば卒業した伊木と一緒に見た記憶があるな……第8回に行ったとすれば6年ぶりか。あまり変わりませんが。)

詳細は、公式HPでも結果がアップされていますし、各種報道機関、あるいは「spica あつまる」でも神野さんが写真入りで速報されているのはご承知の通り。

また、本日付で「週刊俳句」にも、俳句甲子園見聞記 野口裕がアップ。
実は野口さんとは松山まで往復のバスがまったく同じでした(^^;。
帰りのバスで、野口さんがしきりとメモをとっておられるなぁ、と思ったら、この観戦リポート。うーん、仕事が速い。

内容としては準決勝の松山東vs開成の試合について、実作と鑑賞のバランス、ディベートがからむ甲子園形式へ評価の難しさに触れつつ、客観的なリポート。

高校生の発達段階から見ると、ディベートに耐え得るだけのコミュニケーション能力を持つ層は限られるだろう。したがって、俳句甲子園に集まる高校生たちの層が偏ってくることは、今後あり得るかも知れない。だが、おそらく、俳句の入り口としてこれより優れた形式はないに違いない。末永く続いてほしいイベントではある。
自らも高校教師であるだけに、観戦中も「コンテストの功罪」について口になさっていましたが、レポート中盤で開成のディベートを分析する手際はさすがです。開成の「うまさ」が具体的によく分かります。

正直なところディベートの手法自体は、私の知っている頃とあまり変わらない印象でした。審査委員長・高野ムツオさんは「近年希な好勝負!」と昂奮されてまして、うーん、リップサービスもあるんだろうなぁとは思いつつ。もちろん洗練度というか、全体のレベルは向上しているのですが、相手のコメントを引き出しつつ自分のフィールドに持ち込むとか、笑いを取りつつ添削していく過程とか、懐かしいな、という感じ。

審査委員長の正木ゆう子さんが最後の挨拶でおっしゃっていましたが、ディベートに関してはもう一歩、別の展開がありそうな気がする。それが何か、具体的にはわからないですが。
野口さんのレポートは、現段階の完成形ともいえる開成ディベートの特徴が実によくわかります。これを参考に、新たな局面を考えられるとおもしろい。誰か、一緒に研究しませんか。



さて、今回出場常連校にはいくつか見覚えがありますが、当然ながら出場選手はまったく面識なし。どこの応援というわけではなく、あちこちを観戦してまわることができました。
それよりも引率の先生方や、スタッフのなかに懐かしい顔がたくさんあって、テンションだだ上がり。もう何年も会っていない人たちなのに、同じように松山で会えて、同じように会話を交わすことが出来る。それだけでもステキすぎる。

内容としては、涙あり、笑いあり。勝って泣き、負けて泣き。ひさびさに「甲子園」を堪能できたなぁ、という感じです。もちろん見ていると「なんでここで言い返せない!」「なんでそっちの句がいいの!?」なんていろいろ思いますが、俳句に熱くなれる高校生を見られるのはとてもいい気持ち。

スタッフのなかには、私が縁遠くなっていた間も休まず毎年来ている人、私同様ひさしぶりに戻ってきた人、いろんな人がいます。もちろん私のような自堕落学生ではなく、立派な社会人ばかり。それがわざわざ休暇をとって、甲子園を盛り上げるために、自費で来ている。
そのなかには俳句を続けている人もいるし、もうやめてしまった人もいる。休んでいたけれど再開してそれを機に甲子園に来た、という人もいる。14回の蓄積。14年の重み。

俳句甲子園について、卒業生がどこまで俳句を続けるのか、みたいな言い方をされることがありますがね。
はっきり言って、些末なことです。

よく言われるように、俳句甲子園にかかわる卒業生には二種類います。
ひとつは、俳句が好きになって俳句を続けるタイプ。もうひとつは、俳句甲子園というイベントが好きで、スタッフとして関わり続けるタイプ。もちろんそれ以外の多くの卒業生は、文字通り甲子園から「卒業」していきます。

しかし、毎年30以上のチーム(つまり150人以上)の高校生が出場し卒業していくという事実は重い。たとえ実作を続けていなくとも、俳句の魅力を知り、俳句にかかわっていく、俳句を応援していこうと思える人たち。そういう「俳句にまつわる若者」を着実に増やしている、ということ。そしてそのイベントを支援する大人たちも、確実に増えているということ。このことは忘れてはいけない、と思います。

いま、俳句界で活躍している人たち、「0年代の作家」「10年代の作家」たちを生み出すのが俳句甲子園なのではない。そんな狭い視野の話ではない。
そういう作家たちを見守る、「俳句にまつわる人たち」が増えていく。スタッフ、卒業生、後援者、すべてふくめて、「俳句」を盛り上げる。活気ある「俳句」シーンを作っていく。そういうイベントとして、俳句甲子園はすごい、と、私は思っているのです。



ちなみに。
松山でお会いした、朝日新聞俳句担当の記者である宇佐美さんへのインタビュー記事も同日公開。とてもおもしろいのでオススメです。

週刊俳句 Haiku Weekly: 朝日新聞 宇佐美貴子さんインタビュー「俳句は人間活動として面白い!」
 

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