2009年9月4日金曜日

雑感

 
数日前、角川『俳句』九月号にようやく目を通した。

特集は「老境こそ俳句は輝く!」。

うん……、まぁ、俺にはよくわからないですけど。 やっぱり「俳句」購読者だと、こーゆー企画が受け入れられるのだろうなぁ、というところ。ただまぁ、老境で輝く人がいたからといっても、老境だから輝く、というのとはちょっと違うでしょう、というかすかなイヤミを言いたくはなる。 そのへん、一見忠実にあたえられた課題をこなしているかのように見える、鴇田智哉さんなんかの本音を聞いてみたいところ。


宇多喜代子さんの作品50句がおもしろかった。

宇多さんの句って正直、こないだの「宇多喜代子(小)特集」のほかには、あまり読んだことなかったので、これからマジメに読ませて頂こうと思います。




『俳句』誌で必ず目を通す連載がみっつある。

ひとつは、高柳克弘氏の「現代俳句の挑戦」。
私は高柳氏の俳句評論は「凛然たる青春」以来のファンなので、これは毎回楽しみに読んでいる。

それから、これは多くの人が読んでいると思うが、「鼎談」。
今年の本井英氏、今井聖氏、高田正子氏の三者は、基本的には今井氏が独特のこだわりでなにか発言し、本井氏がホトトギスな立場で反論し、高田氏が進行する、という構図。今井、本井、両氏の立場がわりと鮮明に出ているのでおもしろい。

みっつめは、井上泰至氏の「子規の内なる江戸」。
井上氏は、防衛大学校の教授であるそうだが、近世文学研究では結構有名らしい。八犬伝関係の論文をいくつか目にする機会があって、明快かつユニークな視点でなかなか面白かった。 この連載も、さすが本職という感じで面白く読んでいるが、筆が滑ってるな、と思うときがある。
今回、子規が「写生」の目を通して、自然の動植物に優しい視点をそそいでいる、なんてことを仰っていて、それはまぁいいのだけど、動物の畸形をあって当たり前のものと受け入れている、云々、の記述はちょっとひいきの引き倒し、であろう。
あ、ちなみに、いま 「正岡子規 差別」 でgoogle検索をかけると問題な句が登場します。言及されている記事自体はどうということもないのであえて引用はいたしませんが。
だからどうしたというわけではないけれど、正岡子規の(という人の、あるいは子規の時代の)「写生」という視点からは、こういう句が出ることもあったのだ、とは、頭の隅に置いておいていいかもしれない。





閑話休題(それはさておき)。

いよいよ明日です。
 京都、中京区コープイン京都にて。
 船団、初秋の集い。
 14:00~、坪内稔典氏×道浦母都子氏 「女うた・男うた―百年後の詩歌―」
 15:30~、シンポ 「百年後の俳句―百年後、俳句は生きているか―」
       高山れおな・高柳克弘・三宅やよい・塩見恵介

最近、坪内先生も「ねんてんの一句」で宣伝しておられるのだが、シンポジウム登壇者を「三人」としてしまったり(案内を見る限り登壇者は四人)、塩見恵介氏の句集を『泉』としたり(正しくは『泉こぽ』)、せっかくなのに誤植がおおい宣伝になってしまっている。どうでもいいことだが、ついでなのでこちらで正しく宣伝しておきます。

さて、船団発、ともに「百年後」を見据えたふたつのイベント。
どんなことになるかは、聞いてみないと分からない。

 

2 件のコメント:

  1. 「子規の内なる江戸」の著者の井上泰至です。
    拙文を愛読して頂いたうえ、わざわざ取り上げて頂き
    有難うございます。

    ただし、曾呂利亭さんの読みには、残念ながら
    誤読と思われる部分があるので、簡単にコメントしておきます。

    >子規が「写生」の目を通して、自然の動植物に優しい視点をそそいでいる<
    私は子規の自己の「死」への優しい視線については、文章の最後の部分で述べましたが、子規が「自然の動植物に優しい視点をそそいでいる」とは一言も書いていません。また、

    >(子規が)動物の畸形をあって当たり前のものと受け入れている<
    とも私は書いていません。
    あくまで江戸の伝統にそういう視線があり、その延長線上に
    子規や漱石が「死」を笑いの対象にする見方があることを言ったまでです。

    また、是非引用した「逝きし世の面影」を読んでいただければ、江戸人の人間観が今日と180度異なる面があることは
    納得していただけると思います。

    お礼はお礼として、著者として書いたつもりのないことを
    書いたと言われた点についてははっきりさせておこうと
    思い、書き込みました。あしからず。

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  2. >井上さん

    コメントありがとうございます。
    まさかのご本人登場で少々驚いております。「俳句」誌の記事にはいつも勉強させていただいてます。
    今回の記事に関して、不明確な記憶によって読み違いしていたかも知れません。当該コラムを確認し、誤読と思われる場合は改めて訂正記事を書かせていただきます。
    丁寧なご指摘ありがとうございました。

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