2009年9月6日日曜日

「船団」秋の集い 宴のあと


「船団」秋の集い が昨日無事に開催された。

かなりの盛会っぷりであったが、思ったよりも会員外の方が少なかったのは残念。せっかく外部からゲストを招いた企画だったので、もうすこし会員外から参加者が来てくれてもよかった。
なかで、「豈」の堀本吟氏が来場され、また最後に刺激的なコメントで高山氏の発言をフォローされていたのが印象的だった。

詳細は当日のメモを検討しながら、随時書かせていただくつもりだが、対談、シンポジウムともに、とても楽しいものだった。時間が足りなくてどうしても抽象的、概説的になってしまったのは仕方がなかったが、いろいろ刺激的な指摘があって、「船団」にとって、また「俳句」全体を考える上でも充実した時間だったのではないか、と思う。
坪内先生、道浦先生、またシンポジウム登壇者の方々、ならびにイベント主催陣には本当に、お疲れ様、な一日だった。

シンポジウム「100年後の俳句」にさきがけて、懇親会で出た発言を紹介しておこう。
シンポの席上では、高山氏はじめ、「正直、百年後のことなどまったく予想できないし、原則として実作者である自分は今なにができるかを考えたい」といった発言が多かった。それに対して、前半のゲストだった道浦母都子氏が、
「俳句はたった百年なんですね。 短歌は千年単位で考えている」
といった発言をされたらしい(懇親会会場での高山氏発言より)。
なるほど、それを思えば、俳句は、たった百年、その百年すら考えられるかどうか、という、実に若い文芸なのだなぁ、と改めて思ったのである。



田ステ女俳句祭、募集〆切近し。9/15まで。
 →http://edu.city.tamba.hyogo.jp/c-koumin/event/2009evrnt/09thseisyunhaikusai/9thseisyun.html


※「船団」秋の集いに関するレポートは別の媒体で発表するかもしれません。詳細はまた後日。
 

3 件のコメント:

  1.  はじめまして。堀本吟です。この欄と、それから、週刊俳句では丁寧なご報告有り難うございました。公平に正確に良くまとめて下さっていて、私の発言についても、うまく趣旨を汲み取ってまとめて下さっているので感謝とともに感心しました。
     船団初期に(二十年前。摂津氏存命のころ)、坪内さんとやり合っていたテンションがよみがえってしまったかな。とやや心配していました。「刺激的コメント」の内容が今後いい方に刺激するものであれば、とねがっています。

     シンポ全体は、これもテーマが大きすぎて。でも。パネラーの、皆さん正直で、いいご意見がたくさんでていましたね。面白かったです。司会の塩見恵介さんもたいへんだったとおもいますが、健闘でした。

    百年後という想定は、坪内稔典氏の出立である正岡子規の時代のつまり「百年前」に回想から被さってくる時代区分なのではなかったか?過去。現在、未来あわせてじつは、主催者側はこの「百年」についてかたるはずなのではなかったか、とおもいました。すくなくともせいぜい過去と現在二百年のスパンで円環するはずです。
    ところが、高山れおな氏の安井イズムと、まともに季語を愛している高柳克弘氏の波長は合いすぎて、ゲストの問題意識が、たとえば高柳さんが強調していられた「季語という自然」と安井浩司のつかみとるいわゆる「根源的な自然=自然言語」の千年単位のコンセプトができてしまった感があります。(伺っていると藤田湘子の系統はずいぶん面白いところへ行っていると思いました)。
     ああいうライブは、いきものですから、予定通りには行かないものです、こういう強力な論点が出た場合。主催者がわの潜在的テーマ「百年」に閉じこめる予定が、うきあがったしまったのだとおもいます。且つ重層化したので、会場の人たちがどちら側のコンセプトで考えたらいいのかが混乱して、これは、難しくなるのはあたり前です。自分になじまない方がむづかしく感じられるものです。(安井さんって、そんなに難しくないですよ。まともです。)

    ただ、いまの船団の意識では、この問題はそれ以上は踏み込めないです。それが悪いというのではなく、百年後は百年まえがどうであったか、という俳句史的な回想が媒体にならねば、話が進化しません。難しい、わからない、ということを逆手に取ってゲストにつっこむことが出来なくて、そこへ話をもどせなかったのだと思います。

     まあ、話を聞きながらそんなことを考えて、おりました。
    こういう成り行き自体に、現代俳句のテーマが現れたのだと、そこにあの会の大きな意義があったのだ、と思います。

     不完全燃焼だったので、続きバージョンの懇親会には出たかったのですが、開会前にすでに、予約がいっぱだったとか会員ではないとか言うことでことわられていました。これは当事者のご都合もあるでしょうからどうしようもありません。
     それで大変ながくなりましたが、私見少々。失礼しました。

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  2. >堀本さん
    いらっしゃいませ。
    ネット上ではよくお名前を拝見していましたが、失礼ながら船団におられたとは知らず、当日もご挨拶できませんでした、失礼しました。
    「百年後」のテーマは、おっしゃるとおり、また拙文でも触れたとおり「近代俳句百年」という意識があると思います。ですが、やはり「この百年」を踏まえた上で「次の百年」へ向けて眼を向ける意識が(少なくとも現在の)「船団」のなかにはある、と思っています。
    高山氏、高柳氏の議論については、なるほどと思いました。ありがとうございます。
    コメントありがとうございました、
    またどこかでお話しできればと思います。
    今後ともごひいきに。

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  3. 唐突な訪問をお許しいただき恐縮です、
    またよろしくおねがいします。堀本 吟

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