2009年11月6日金曜日

鬼貫


11/3、鬼貫青春俳句大賞公開選考会に行ってきました。
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http://www.kakimori.jp/2009/11/post_103.php

大賞に輝いたのは、羽田大佑氏(京都産業大学四年)の 『カタカナ+ひらがな+漢字=俳句』。
  短夜の港を映すグラスかな
  専攻は古代ギリシャ語星月夜
  マフラーを巻く本心に触れぬやう
以下、優秀賞に、山本皓平氏 『ファンシー・ゲリラ2009』 、北嶋訓子氏 『ささくれ』、杉田菜穂 『曲がり角』。

受賞作品若干(一句ずつ)が、柿衛文庫HPで公開されています。大賞作品は来春の『俳句研究』号に全作公開されるはずですので、そちらでご確認下さい。

羽田氏は前々からの句会仲間。吹田東高校から俳句甲子園に出場し、「百鳥」(大串章主宰)に所属。長らく大きな賞には恵まれていなかったけれども地道に俳句を続けていて、いま関西学生句会では重要戦力のひとりである。作風は普段、ウェットに富んだ叙情句(というより、ロマンチッ句)、が目立っていたのだが、今回の30句は叙情がほどよく抑えられ、また、なんといっても秀逸なタイトルで注目をあつめた。タイトルどおり、すべての作品にカタカナ、ひらがな、漢字を使っており、しかもカタカナはカナ表記というわけではなく実際の外来語由来のもの。日本語の多層性を意識した意欲的な作品だった。 最近は就職活動が難航しているそうで、そのあたりの鬱屈が、むしろ作品に勢いをつけたのかもしれない。
会場の空気も味方にして、大賞に輝いた。
おめでとうございます。

優秀作に、あやういところで生き残った話題作『ファンシー・ゲリラ2009』の山本氏も句会仲間で、これは「船団」仲間でもある。仏教大学三年、坪内ゼミに所属して近代文学を専攻しているが、ぱっと見、どーみてもブンガクしているようには見えないちゃらんぽらんさが魅力。いや、根は気ぃつかいのおもしろい男なんですけど。ギターが弾けたり酒に詳しかったりお洒落にうるさかったり、いろいろ多芸。 「船団」の先輩方に、いまもっとも期待されている青年であり、彼も本来のロマンチッ句から飛翔してにぎやかな意欲作、実験作で受賞にこぎつけた。

公開選考会のいいところは、なんといっても選考委員の意図が目の前で見られること。いわば「句会」の延長線上であり、どういった作品が、どのような場で「大賞」と成るのか、過程を見られる、そのことが会場にとっての収穫だ。
受賞した側にはもちろん、落選組にも次へつなぐヒントが見える。
句会をともにしていて、その姿勢をよく知っていれば、なおのことである。
その意味で、今回はいろいろと勉強になった。なにより受賞した四作品はどれも選考委員に「採りたい」気持ちをおこさせる勢いがあった。完成度より冒険より、俳句に対してどう向き合っているのか、作品からくる勢い、迫力、それを選考委員が受け止めて、受賞につながった、のだと思う。
落選組にとっては、「次」が勝負である。



上の文、負け惜しみ97%。 
いや、例年どおり意外と平静なんですが、やはり「採りたい」気持ちにさせられない作品、て全然意味がないなぁ、というのを思い知りました。こっから、どう立て直せるかですが。



「週刊俳句 角川俳句2009落選展」、引き続き開催されています。
友人知己を中心に、ぼつぼつ鑑賞も書かせて貰ってます。拙作への評も書いていただきました。
こういう「場」があることが、落選組にとっては「次」へつなげる原動力になる。ありがたい企画である。
週刊俳句 Haiku Weekly: 落選展2009 会場

 

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